1997年、中学2年生だった小さなカップルが結婚に至るまでの恋愛エピソード第一話です。
時代背景
1997年(平成9年)
日本の携帯・PHSの普及率が20%未満の頃
今のようなネットサービスがない時代だったので、
メディアといえば『TV・ラジオ・雑誌・新聞・本』
この5つがメインの情報源でした。
中高生のトレンドはTVと雑誌と渋谷から生まれ、少ない情報ツールに大勢が集中したのです。
皆んながこぞって同じものを見て、同じものが好きだったといえる時代。
流行る=「爆発的な人気」を意味していて、特にエンタメ界はその傾向が強かったように思います。
メディアの影響力
人気ドラマの視聴率は25%超えが当たり前!
売れる歌手はミリオンセラー連発!
当時TVで活躍している有名人は強大なインフルエンサーでした。
話題の中心!憧れの的!真似したい人!のトリプルコンボ!
私は安室ちゃんの細まゆメイクに厚底ブーツを真似る若者…の方ではなくて、
はじけるような明るい歌声とダンスの4人組「SPEED」が好きで、
思春期の恋をテーマに歌った歌詞は当時中学2年生だった私の心にイマジネーションをもたらしました。
今はまだ彼氏はおろか好きな人もいない自分は、いつかこの歌詞の主人公のような恋ができるのだろうか?
この年の10月に発売された「White Love」の歌詞には、このような一節がありました。
著作権の関係で歌詞を書いてはいけないので、ニュアンスだけ伝えます。
どうやらその恋のはじまりは冬に舞い降りてきたらしく、
恋のキッカケは、この世の産物ではなく「天使」なるものが与えてくれて、
彼との切ない距離感を感じながらも、
神様に対して「どうか見てて下さい!はじまったばかりの恋は、永久に不滅です!プロミスtoラブ・フォーエバー!」と誓うのです。
中2のわたしは度肝を抜かれました。
恋愛にウブな年頃の女子が、大人をも退くほど常軌を逸した覚悟をもって「始まったばかりのこの恋を、相手を、永遠に大切にする」と神に誓ってしまうのですから。
この一連の歌詞を、多くの人はエンタメ、文化、詩の世界として受け流すことでしょう。
でもわたしは違いました。
この心情と、シンクロしてみたい。
純粋にそう思ったのです。
クリスマスイブの夜に
White Loveの歌詞とシンクロするためにはまず、
「天使」にキッカケを与えてもらうという、並大抵ではないハードルを越えなくてはなりません。笑
1997年クリスマスイブ。
満を持してこの日を迎えました。
天使の羽のごとく大粒の雪が降りしきるなか、
わたしは空を見上げ、両手を握りしめ、願いました。
サンタさん。クリスマス一生分のお願いがあります。つぎの恋を一生大切にするので、来年のクリスマスまでに彼氏がほしいです。
天使の存在をサンタに置換して、まっすぐな願いを込めました。
こうして文字に起こすと、小っ恥ずかしくなる言動の数々にめまいがします。
でも、あの時のわたしは至って本気!純度100%!無雑のハートで祈ったんです。
そして、この「願掛け」がなければ次に来る「あの試練」を乗り越えることは出来なかったでしょう。
新学期
サンタクロースに願いを込めてから3週間。
冬休みが終わって3学期が始まりました。
クラスにはいつもの顔ぶれが集まり、普段と変わらない学校生活のなか、
何の前触れもなく「その時」はやってくるのでした。
つづく
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